しろい―――そう、視界は白色で染まっていた。
上も、下も、左右も、前後も……全てが白で染まっていた。
町が、山が、白く染まり、夜の空でさえ白く染まっていた。
雪が降っていた―――
それが、辺りを白く染めたモノの正体。
何もかもを飲み込み尽くしても、雪はまだ降り続けている。
白い雪は―――穢れなく輝き、舞っていた。
白い雪は―――風に吹かれて、散っていた。
白い雪は―――地上に落ちて、汚れていった。
そして―――――穢れた雪は、消えていく……
そんな、儚くて純粋すぎるが故に穢れやすい雪が、
とても切なくて悲しかった―――